2024年10月中旬、ずっと登りたかった南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」に2泊3日で挑んでみたけれど、悪天候など諸々あって手前の「小仙丈ケ岳」で撤退したお話。2日目「仙丈ケ岳を目指して登山」編。
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1日目の様子はこちら↓
真夜中に焦る
1時過ぎ、トイレに行きたくなり目が覚める。テントの外に出ると月が真上から照らして明るかった。中で寝ているときは身体が冷える感じがしていたが、テントから出たらそこまで寒くなかった。地面からの冷えだったのかも。
2時過ぎ、雨がパラパラ降っていた。この後の天気が気になって仕方がないので「山小屋Wi-Fi」(詳細は1つ前の記事へ)に接続して天気予報を確認しようと小屋の前まで行ってみたが、何故か繋がらない。
え?どういうこと?暗闇の中、Wi-Fiを拾おうとウロウロ。そういえば昼間に爆音を鳴らして動いていた発電機の音がしていない。夜は切っちゃうのか。そりゃそうだよな、うるさいもんな。たぶん発電機を切ったから山小屋Wi-Fiの機器の電源も切られているのだろう、と静かに納得。
しかし困った。朝になり、小屋番さんたちが活動し始めるまで、きっと山小屋Wi-FIは繋げられない。でも私たちは夜明け前に登山開始予定。最新の予報を確認できないまま出発することになる・・・
テントに戻り、登山を決行していいのか、何時まで行動していいのか、夫と話し合う。しかし答えが出ない。その後もパラパラと雨が降ったり止んだりしていた。一応横になってシュラフにもぐりこんだけど、もう眠れなかった。
起床~準備
3時、シュラフから出て起床。他のテントの方たちも、起きてごそごそと準備をしているようだった。みんな登るんだなと思うとちょっと前向きな気持ちになった。とりあえずネットが繋がる稜線に出るまでは天気は持つだろうから、私たちもそこまでは登ってみよう。先に進むか下山するかはその時の状況で考えよう。
ただ、私の超絶遅い登りスピードだと下山で暴風雨にあう可能性が高い。そもそも体力度高めの山なので、雨の下山はきっと疲労困憊になる。さらに午後は荒天ということは下山後のテン泊は大雨の中になるんだろう。出来れば快適な状態で身体を休めたいので、ここでもう1泊するのはナシだな。
ということで、下山後すぐさま撤収してバスで戸台パークまで戻るつもりで、テント内の荷物を出来るだけ片付けておいた。
登山開始~三合目
5時、登山開始。雲の合間に月や星が見えていた。雲の流れがすごく速かった。稜線はきっと暴風だ。気温はそこまで低くはなく、出発前のテント内はなんと20度もあった。

















三合目~五合目
三合目に到達してしばし休憩。こまめに休憩しないと体力が持たない。体力度が高い山だとは分かっていたけど、これが初心者レベル?と内心思っていた。





五合目~六合目
やーっとやーっと、五合目の分岐、大滝ノ頭に到着。
ここは「小仙丈ケ岳を経由して仙丈ケ岳に登るルート」と「薮沢へトラバースして藪沢小屋・馬の背ヒュッテ・仙丈小屋を経由し登るルート」の分岐になるのだが、この日はもう薮沢ルートは冬季閉鎖で通行止め。小仙丈ケ岳ルートのピストンしか選択肢がない期間に入っていた。
後から知ったのだが、薮沢ルートは長衛小屋を作った竹澤長衛さんが仙丈ケ岳まで出来るだけ緩やかに歩けるように切り開いた登山道らしい。つまり、小仙丈ケ岳を経由するルートはきついということ。
元々計画していた10月初旬はまだ薮沢ルートが冬季閉鎖されていない時期だったので、登りは頑張って小仙丈ケ岳ルート、下りは緩やかに薮沢ルートを歩く予定だった。どちらにしても登りはきついルートのつもりだったので別に良いのだが、確かこの先さらに急登ゾーンがあるはずで、もうひたすら黙々と登るしかない。
途中、すごく重そうなザックを背負った登山者さんが下りてきた。南アルプスのどこからか縦走してきたんだろうか。私たちは挨拶してすれ違っただけだったが、後ろから登って来たご夫婦はその方と少し話をしたらしく「稜線は暴風が吹いていて危険だから気を付けて」と言われたらしい。もうそんなに荒れた状態なのか。







事前に調べていたとおり、確かに稜線まで出たらネットが繋がったので早速天気予報を確認してみたが、やはりこの先天候は悪くなる一方の模様。この時点で六合目は暴風というほどではないけど強い風が吹いており、甲斐駒ヶ岳方面はまだマシだが北岳方面やこれから向かう仙丈ケ岳方面は灰色の雲が立ち込めていた。
六合目~小仙丈ケ岳手前の分岐
まだ大荒れというほどではないし体力もまだかろうじて大丈夫そうだったので、様子を見ながらこのまま続行することに。














程なくして、小仙丈ケ岳の山頂を経由して仙丈ケ岳に向かうルートと、小仙丈ケ岳をトラバースして仙丈ケ岳に向かうルートの分岐に到着。
この分岐は私たちのこの先の動きを決断する分岐点でもあった。まあ、仙丈ケ岳は断念するのでトラバースルートは行かないのだけどね。
YAMAPに活動日記あります(1泊2日、北沢峠~長衛小屋~小仙丈ケ岳~北沢峠~長衛小屋~北沢峠の通し記録です)↓
https://yamap.com/activities/35335529
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