2024年10月中旬、ずっと登りたかった南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」に2泊3日で挑んでみたけれど、悪天候など諸々あって手前の「小仙丈ケ岳」で撤退したお話。2日目「仙丈ケ岳を断念して下山」編。
スポンサーリンク
過去記事はこちら↓
小仙丈ケ岳の山頂を経由して仙丈ケ岳に向かうルートと、小仙丈ケ岳をトラバースして仙丈ケ岳に向かうルートの分岐に到着したところから、続きです。
小仙丈ケ岳手前の分岐で決断
この分岐で、この後の行動を決断しないといけない時間帯に差し掛かっていた。
結論からいうと仙丈ケ岳は断念。
断念した理由は諸々あり。(長いです。覚書です。)
【理由1】
登山日はそもそも午後から荒天&暴風予報が出ており、小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳までは風を避ける場所がほとんどない稜線なので暴風雨に遭うと危険。
↓
我々が六合目の稜線に出た時間帯(午前)から既に強風が吹いており、他の登山者さんからこの先の稜線はすごい暴風だから気を付けてと言われていた。さらに大雨が降るとなるとアルプス初心者である我々の経験値・体力では何かあったときに怖いと判断。(実際、午後の稜線は横殴りの暴風雨で危険な状態だったらしい)
【理由2】
仙丈ヶ岳まで登り戻ってくると、下山は土砂降りになりそう。土砂降り下山はもう懲り懲り。
↓
土砂降り下山は少し前に登った三嶺で嫌になるほど味わっており、モチベが保てずぐったりするのは分かっていた。疲れたら判断が鈍るし、この山はガレ場岩場が多く、濡れて滑ることもありそう。出来れば避けたい。
【理由3】
下山後の夜は本当はもう一泊テン泊する予定だったが、天気予報は夜も大雨。さすがに疲れた状態で雨のテン泊をするのはしんどいので、下山したらすぐテントを撤収し、北沢峠~戸台パークまで、本数が少ないバスになんとしても乗って麓に下りたい。
↓
下山後に乗れるとしたらチャンスは15時のバスと16時の最終バスの2本のみ。最終バス狙いで動くと何かトラブルがあって乗れなかったら悲惨だし、15時のバスに乗るために下山後の撤収作業、バス停まで移動する時間を確保するとなると結構ギリギリ。
【理由4】
小仙丈ヶ岳手前の時点でガスで何も見えないのに、仙丈ヶ岳まで行っても天候は悪化する一方だから何も見えないのはほぼ確定。
↓
ガチなピークハンター、百名山ハンターなわけではないし、まあこの眺望で登ってもね、という感じ。
【理由5】
段差が大きいガレ場、岩場、木の根っこが多い登山道なので私の技術・体力ではスピードが出せない。
↓
仙丈ヶ岳は南アルプスの中では初心者向きと言われているけど、ただ危険箇所が少ないだけでコースタイムは長いし岩場やガレ場もそれなりにあり、普段登っている中四国の初心者向きの山とはレベルが全然違う。元々、体力度高めな山なことは承知していたので今回の登山に向けて何ヶ月も前から体力づくりをしていたし、持久力は以前より格段についたと思うけど、筋肉や体幹をもっと鍛えてガレ場岩場の経験をもっと積まないとこの道をコースタイムどおりでは歩けない。ついつい足の置き場に慎重になり過ぎるので、時間がかかってしまう。
天気が良く下山後のテン泊を予定通りできるなら、休み休み時間をかけられるので仙丈ヶ岳まで行けたと思うけど、諸々の理由が重なり時間をかけられない状況だったので、それなら途中撤退して早く下山したほうがいいと判断したわけです。
結局、私が速く歩けたらなんとかなったんじゃないか・・・🤔
とりあえず小仙丈ケ岳の山頂へ
というわけで、この分岐で仙丈ケ岳は断念し、小仙丈ケ岳のピークだけとって撤退することになった。
小仙丈ケ岳からは、南アルプスの女王と言われる仙丈ケ岳の優雅なお姿はもちろん、富士山・北岳・間ノ岳の日本の標高1~3位(間ノ岳の3位は諸説あり)の並びを見ることが出来るらしいが、周囲はガスガス。おまけに暴風。少しだけ座って休憩をとるも、風強すぎるわ寒すぎるわで長居はできなかった。
下山
下りは登ってきた道のピストン一択。岩場や段差の大きい箇所に苦戦しながら、必死で下った。たぶん過去イチの集中力で必死に下ってた。








早く下りないとバスに間に合わないというプレッシャーもあり、二合目まではほんとに必死だった。4合目あたりで雨が降り出したのもあってちょっと焦っていたかも。
登りのときはテン場から二合目の分岐までショートカットできるトラバースルートを歩いたが、北沢峠登山口から二合目までのルートの方が歩きやすいんじゃないかと思い、下りは北沢峠に向かうことに。北沢峠からテン場までの時間がプラスされてしまうが、そこは歩きやすい砂利道だし前日通っているので何分かかるかも計算できる。まあ大丈夫だろうということで。
激下り中に雨が強くなり始めた。あと少しなのに待ってくれーと思いながらまたまた必死で下り、北沢峠のトイレの軒下に着いたところでとうとう土砂降りに。
思えば六合目~二合目のガレ場岩場の下り中にこの土砂降りに遭わなかったのは不幸中の幸い。早めに撤退判断してほんとに良かった。
テント撤収、バスで下山
何がなんでも15時のバスに乗るぞと必死で片付け、重いザックを背負って疲れた足でバス停までの上り坂を歩くこと20分くらい。ほんとにギリギリで乗ることが出来ました。戸台パークまでの1時間のバス移動は記憶があまりございません。力尽きて放心状態。結局、登山よりも下山後のバタバタが1番疲れた気がする。
夜はどこに泊るか問題
麓に着いて電波がやっと繋がったので、とにかくこの日の宿を探さなければとあちこちに電話をかけたが、近場の高遠町はことごとく満室(紅葉シーズンの土日だし観光地だから)。少し離れた地域のビジネスホテルは喫煙ルームなら空いていたけどそれはちょっと勘弁。
やっと見つけた宿は、我々がいる南アルプスの麓ではなく、お向かい中央アルプスの玄関口にある西山荘という宿だった。ちょっと遠いけど、行けないことはない距離。
どうやら中央アルプスの木曽駒ケ岳登山者向けの宿で(一般の人も泊まれるけど)、全館禁煙、源泉かけ流しの温泉があるらしい。ゆっくり温泉に浸かり、ゆっくりお布団で眠れるならもうそれだけでOK。
西山荘(せいざんそう)
http://komagane-seizanso.com/index.html
夕食の準備は間に合わない時間帯ということなので、晩ごはんを買って持ち込むことになった。となると大好きなスーパーTSURUYAに行くしかないねともうひと踏ん張り、頑張って買い出しへ。
そこから西山荘までは1時間くらいか。移動中に雨が強くなってきた。
ちなみにこの日の夜は予報通りテン場は土砂降りの雨だったらしい。テン泊を切り上げて麓に下りる判断も正解だったと思う。もう全部正解ということで良いのだ。本人たちが納得できているので。
YAMAPに活動日記あります(1泊2日、北沢峠~長衛小屋~小仙丈ケ岳~北沢峠~長衛小屋~北沢峠の通し記録です)↓
https://yamap.com/activities/35335529